迷子のたこ焼き17船団

「たこ焼き17個とコーヒー17杯は・・・お客様ではないですよね?」
 
DSC_9415

 
昨日、近くのスーパー銭湯に行きまして、その風呂上り。
僕たちは広い座敷の一角に腰を下ろし、
それぞれ自販機で買った飲み物をゴクゴクやっていました。
 
困り顔の店員さんが僕たちの隣の団体さんに冒頭のセリフを
もちかけたのはそのときでした。
 
 
・・・どうやら、たこ焼き17個とコーヒー17杯の注文主が見当たらないらしい。
ああ、なんてかわいそうなたこ焼きたち。僕の大好物なのに。
コーヒーとの相性は微妙ではないか、たこ焼きたち。
 
 
勢いよく座敷という大海原に漕ぎ出した17艘のたこ焼き船は、
漕ぎ出した途端に目的地を失いました。
もはやコンパスも海図も意味を成さず、
ほかほかの体を覚ましてゆく冷房の風が吹きすぎてゆくだけ。
熱気に揺れたかつお節は、のちに寒風(冷房の風)に揺れるのでしょう。
 
 
見渡す限り座敷は広く、しかし17艘ものたこ焼き船が行き着く島(団体さん)は見当たりません。
ある船のあるたこ焼きが言いました。
「俺たちは本当に望まれて生まれて来たのか?船長。」
その船の船長は答えます。
「も、もちろんだ!総船長に聞いてみるがよい」
 
あるたこ焼きは17艘を率いる総船長たこやきに問いました。
「俺たちは本当に望まれて生まれて来たのですか?総船長。」
総船長は鷹揚にうなずき答えます。
「もちろんだ。しかし・・・10艘でよかったかもしれんし、7艘でも事足りたかもしれん」
 
あるたこ焼きは膝からくずおれて言います。
「そんな!我々は等しく全員が必要ではなかったのですか!話が違います!」
 
 
総船長はそんな青年たこ焼きを懐かしい目で見て、言います。
「私にも若いころはそういうことがあった。この海(座敷)ではよくあることだ。」
そしてさらに続け、青年たこ焼きに諭します。
「航海にはこんな言葉が昔からある。“待てば海路の日和あり”」
 
 
 
そんな妄想をポカリ片手に思い描いていた僕は、
目的を失った17艘のうち1艘が手元にやってこないかなぁと期待しましたが、
待てど暮らせどやってこないので、「さっきお好み焼き食べたし、まぁいいか」と
切り替えることにしました。

 
待てど海路の日和なく、17艘のたこ焼きたちは冷えていくのであった。
 

コメント

  1. M.I.F より:

    巨大な注文が行方不明とは・・・なんたる不運・・・。
    確かにコーヒーとの相性は微妙な気もしますが、両方好きなので、悲しいですね。

    スーパー銭湯でそういう注文したことないですねー。いつも牛乳飲んで終わりです笑

    • かず かず より:

      不運ですよね。そしてもったいないです。
      僕も両方好きなんですよ!たこ焼きを食べ終わってからコーヒーを飲みたいですね(笑)
      そういう注文したことないですね。たいていご飯は食べたあとになりますから。
      牛乳いいですね!この日はポカリでしたが。

  2. […] 最近のパソコンは、特定の単語を狙ってタイプしていると予測してくれますよね。僕のパソコンも、「わお!よく知ってるね!」って思うような言葉も予測してくれます。特に、「天網恢恢疎にして漏らさず」「蓼食う虫も好き好き」が出て来たときは感動しました。  しかし、これだけクレバーに思える僕のパソコンなのですが、奇抜な予測をしてくるときもあり、思わずえぇ!?ってなるのです。衝撃を受けた過去の2つをご紹介。   ①死体置き場 「したいと」をタイプミスし、「したいお」と打ったときに出て来たまさかの単語。「死体置き場」って常用後ですか?プログラマーは極道の方か何か?それとも仕事人的な? サザンの歌に「死体置き場でロマンスを」ってのがあったなと思ったけど、「死体置き場でロマンスを」とは予測しないのです。眠たげにブログを書いていたけどドキリと目が覚めました。   ②1,000,000,000,000,000 これ、僕が何と打ったかわかりますか?この変換にも衝撃でした。 つい最近書いた、迷子のたこ焼き17船団という記事を書いていたときのこと。正解は「船長」と出てきてほしかったのが「千兆」だったんだからビックリ。しかも漢字じゃなくて数字ですよ。親切に「,」コンマを打ってくれても、いくらかわからないですから。    と、変換に強いのかどうかどうか謎な僕のパソコン。物知りな反面、奇抜なセンスが備わっている、どこか人間味のあるパソコンです。  おもしろい予測変換の経験がある方はぜひ教えてください。  […]