Mr.Children「羊、吠える」パッとしない自分を感じたときに最強の曲

歌詞学

歌詞から生き方を学ぶ。かずの『歌詞学』の時間です!
今日の教材はMr.Childrenの「羊、吠える」という曲。
シングル「旅立ちの唄」のカップリング曲ですが、歌詞が最高にカッコイイ。
いや、カッコ悪いんです。でもカッコイイ。
そんな歌詞は、パッとしない自分を感じてしまったときの特効薬です。

全体の解釈

まずはこの曲の歌詞から読み取れる物語の全体像から行こうと思います。
【歌詞全文はコチラ参照】 
 
桜井さん曰く、「負け犬の歌」とのことで、
前面に“カッコ悪い感”が出ています。
しかし、その裏面には、悪く言えば開き直りなんですが、
そんな自分を奮い立たせるフレーズをちゃんと持っている強かさを感じます。
 
狼の血筋じゃないからいっそ羊の声で吠える
 
この負け犬の強かさに感動するし、
“カッコ悪くてもカッコ悪いまま前に進む”美学に溢れた曲なのです。
 
 
 
歌詞の深読み

では、ここからは歌詞をポイントでピックアップして深読んで学びます!
 
「いいこと“49” 嫌なこと“51”の比率」
ああ、なんてパッとしない比率なんでしょう。
でも、同時に「わかるわ~」ってなりませんでしたか?
最初にこの歌詞を聞いたとき「なんて絶妙だろう」と思いました。
ひょっとしたら世界で一番共感を得られるフレーズではないか。
 
 
「あまり多くの期待をもう自分によせていない
 ときどき褒めてくれる人に出会う それで十分」
そんなパッとしない自分を受け入れちゃっている自分。
そんな自分に多くの期待なんて、そりゃよせられません。
 
でも、そんな自分でも、ときどき褒めてくれる人がいるなぁ。
だからまあ、おれってそこまでダメな奴でもないのかもな。
そうさ、それで十分。そういうことにしておこう。
 
なんて独り言が聞こえてきそう。
でもですね、これは僕のなかで真理です。
ときどき褒められるんです。それで「本望だ」って思っていればいいんです。
 
 
「狼の血筋じゃないから いっそ羊の声で吠える」
これですね。この歌詞ですよ。この曲の神髄は。
え?サビの歌詞だから当然ですって。・・・まあ確かに。
 
でもカッコいいんですよ、この歌詞。
この曲を知ってからの僕は、狼が吠えている映像よりも
羊が吠えている映像の方がカッコよく見えます。
 
だって、スポーツ漫画でも優勝したヤツが雄叫び上げるより、
負けたヤツがぐしゃぐしゃになりながら
「クソー!」って立ち上がる方がカッコイイし、
揺さぶられるものがあるでしょ?

 

「殴られたなら もう片一方の頬を差し出すように
 潔く生きれたなら どんなにか素敵だろう」
もうね、こんな生き方ができたらホントに素敵。
普通は殴られたら、ビックリするし、当然痛いし、何より惨め。
もう一発なんてごめんです。
 
でも、そこでもう片一方の頬を差し出すということは、
そんな惨めな自分でも揺るがない誇りがある証拠。
「狼の血筋じゃないから いっそ羊の声で吠える」
なんて強気に言ってみたけど、このレベルまでは無理かもな。
でも憧れるんだよな。
 
こういう感覚ですね。
生きているうちにぜひこのレベルまで自分を達したいものです。
 
 
「少し憎みながら
 深く愛しながら」 
この曲最後のフレーズです。
直前の歌詞は、
「狼の血筋じゃないから 今日も羊の声で吠える
 “バカみたい”と笑う君に 気付かぬ振りしながら」
 
なんですが、少し憎んで深く愛しているのは、
「君」ではなくて「僕」のこと。
というのが僕の解釈。
 
だって、この感覚わかるんですもん。
パッとしないけど、そんな自分で勝負したいと思う。
そんな自分が嫌いじゃなくて、いやむしろめちゃくちゃ好き!
って感覚(笑)
 
「自分を好きになれないと誰にも好きになってもらえないよ」
というよく聞く言葉については、そんなこともないと僕は思うのですが、
自分を好きになれないと、納得いく人生は送れないとは思います。
 
少し憎みつつ深く愛す。
つまり欠点も含めて自分を好きでいる。
これができているのだから、この曲の主人公の「僕」は
負け犬どころか、人間的になかなかスゴイ奴だと思うのです。
 
 
◆最後に
超ビッグバンドのボーカルである桜井さんが、
ダメな奴の心情を歌ってくれる。
僕たちはそこに安心を覚えるし、
そんな自分でも生きがって生きればいいんだ。
って思わせてくれる。
 
パッとしない自分を肯定して、潔く生きる。
“カッコ悪いことのカッコよさ”を教えてくれる曲。
なんだか自分という存在がぼんやりしたものに思えたら、
即座にこの曲を聞く。これが僕の鉄板なんです。 

 

 

コメント

  1. […] 主人公としては、なんとなく暗く映る世間でも、 「君」のこと、または「君」への想いだけは特別に見える。 それは暗がりだからこそ際立ってしまい、意識してしまう存在。 そんな感覚を感じさせる歌詞です。       「この想いを闇雲に振りほどこうとして  でも出来なくて余計にきつく絡まるだけ」 これなんか、「もう降参です」と言いたくなる表現ですよね! ホントに、よくわかります。 片思いというのはあきらめたり逃げ出そうとするのが本当に難しい。   敢えて無理やり自分の本心と反対に行こうとすると、 逆に本心を意識してしまってダメなんです。 そうしてまたもとに戻ってきてしまい、最初より悶々とする。   そうそう!片思いってそうなんだよ! っていろいろ思い出してしまう箇所です。       ◆片思いの経験は大事だし、貴重です。 僕には6年間、同じ相手に片思いをした経験があります。 高校、大学、青春のど真ん中の恋愛をこの片思いに費やしました。 結果は聞かないでくださいませ。(機会があったら書こうと思います)   そのときの甘く、切なく、胸が締めつけられる感覚を 克明に思い起こされる曲です。   ちょっと若気の至りを突かれて痛い感じもするのですが、 なかなか貴重な経験だったのかもな! と思わせてくれた。そんな「蜘蛛の糸」の歌詞に感謝です。     【その他の「歌詞学」カテゴリのミスチル記事。おかげさまでよく読まれています】 ・「忘れ得ぬ人」こんな恋ができたら幸せ。そして同じくらい不幸。 ・「ROLLIN’ ROLLING」一見は百聞に如かず。その心は? ・「忙しい僕ら」とどまることのできない僕らの歩み。それこそが僕らの人生 ・「ヒカリノアトリエ」の歌詞学。今だけが確実なもの。人生はずっと“今”だ。 ・「Heavenly kiss」盲目ゆえに見えるものもある。 ・「Jewelry」恋心は泥の中でも誇らしく輝く ・「BLUE」待つ恋愛と僕の恋愛論 ・「羊、吠える」パッとしない自分を感じたときに最強の曲 […]

  2. […]   まず、この歌詞にある“君”。これは“僕”の忘れ得ぬ人ではありません。 “僕”の忘れ得ぬ人は、この歌詞では“忘れ得ぬ人”です。 “君”は“僕”にとって、まさに今恋愛関係になりつつある相手です。   “君”と“忘れ得ぬ人”。 現実の幸せをくれる人と理想の憧れの人。 その渦中にいる“僕”の心情を繊細に書いている歌詞です。       ◆歌詞の深読み “君”は美しく、“僕”の理想通りの人。 「ピアノのコード」とは“君”と過ごす時間の比喩。 決して楽しくないワケじゃなく、 むしろとても充実した時間だと“僕”は思っているのです。   そんな“君”に対して、“僕”は君の望む僕を表現することができます。 卒なく、自然に。だから「演じる」という言葉は当てはまりません。 わざとらしくないし、嫌々でもないのです。   そうして“僕”は冷静な頭のなかでこう思うのです。 「本当はその方法が正しい道かもしれない」 これはもちろん、“君”といっしょになるという道。   でも、その道を選ぶことは、 “忘れ得ぬ人”と結ばれるという道は途絶えることを意味します。   でもでも、“君”との関係を終わりにすれば、きっと後悔もするだろう。 そんな気持ちもあるのです。 まさに葛藤。 どちらかの道しか選べません。これは同じ男として好感を持てます。     だけど、結論。 「その手を引き寄せはしない」 もちろん“君”の手です。   この結論は、“君”を選ぶ道のことを“方法” と表現している時点で決定している気がします。 どこか戦略的、妥協的なニュアンスを含んだ表現です。   それに対して“忘れ得ぬ人”への道は魂が求めているのです。 勝敗は“僕”のなかで最初から明らかです。 スポンサードリンク (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});   ◆“僕”の気持ち、とてもよくわかります。 この曲が好きなのは、 実は僕(かず)も同じ葛藤を経験しているから、というのもあります。 僕にも強烈な“忘れ得ぬ人”がいたのです。   “君”のような人といっしょに前に進む方が楽だけど、 一方で“忘れ得ぬ人”から離れるのは楽じゃないのです。   離れることはいつでもできる。 だったら今離れずに希望を持ち続けたい。 そういう思考回路になるんですよね。   当時の僕がこの曲を聞いたら号泣したことでしょう。 めちゃくちゃ当時の僕の気持ちを表してくれています。 桜井さんもこんな経験があるのでしょうか。     こんな恋ができたのはとてもとても幸せで、 そして同じくらい不幸なことです。   そんな気持ちをやわらかなメロディーで思い起こさせてくれる名曲です。     【その他の「歌詞学」カテゴリのミスチル記事。おかげさまでよく読まれています】 ・「ROLLIN’ ROLLING」一見は百聞に如かず。その心は? ・「忙しい僕ら」とどまることのできない僕らの歩み。それこそが僕らの人生 ・「ヒカリノアトリエ」の歌詞学。今だけが確実なもの。人生はずっと“今”だ。 ・「Heavenly kiss」盲目ゆえに見えるものもある。 ・「蜘蛛の糸」胸が締めつけられる片思いってこんな感じ ・「Jewelry」恋心は泥の中でも誇らしく輝く ・「BLUE」待つ恋愛と僕の恋愛論 ・「羊、吠える」パッとしない自分を感じたときに最強の曲 […]

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