Mr.Children『空風の帰り道』歌詞学。「さよなら」も、君とならば愛の言葉

歌詞学

歌詞から生き方を学ぶ。かずの「歌詞学」の時間です!
今日の教材はMr.Childrenの『空風の帰り道』という曲。
アルバム『シフクノオト』に収録されたこの曲。優しくて少し切ないメロディに乗っかる歌詞がとても素敵ですよね。

 

歌詞全体の解釈

では、歌詞の全文を見てみましょう。

からっ風が吹いたから
少し手をつないで歩こうよ
花や草木に習い僕ら
かるく揺れながら

昨夜見たテレビの中
病の子供が泣いていた
だからじゃないがこうしていられること
感謝をしなくちゃな

今日の日が終わる
また来週に会える
「さよなら」は悲しい響きだけど
君とならば愛の言葉

悔やんでも 嘆いてても
時間は過ぎてしまうから
花や草木に習い僕ら
黙って手を振ろう

今日の日が終わる
また必ず会える
「さよなら」は悲しい響きだけど
僕が言えば愛の言葉

からっ風が吹いたから
ポケットに手を入れて歩くよ
花や草木に習い僕は
向かい風をうけて
一人でバス停まで
からっ風の帰り道

別れがたい人と、今日も「さよなら」をする時間になり、一人歩く帰り道。寒々しくて寂しい心境の中にも温かい前向きな気持ちがある。そんな心境を歌った歌だと僕は解釈しています。

 

歌詞の深読み

この曲の歌詞、個人的には見えてくる物語よりも、フレーズ自体に心が魅かれるんですよね。

 

からっ風が吹いたから
少し手をつないで歩こうよ

出だしのこのフレーズ。「からっ風が吹いた」ことをきっかけに、手をつなごうよという提案。なんとも微笑ましいし、どこかズル賢い。でも、お別れの時間が近づいてきて、シンプルに寂しいという気持ちを埋めようとしているんだろうなということもよく伝わってくるフレーズ。

 

花や草木に習い僕ら
かるく揺れながら

サビのフレーズの素晴らしさに次いで印象深いのがこのフレーズ。花や草木、“植物に習う”というのは、流れに身を任せるというニュアンスを感じます。

その時間がくれば別れなくちゃならない。寂しいけど、そこに抗うことはできない。時間の流れに揺られながら、身を任せて今少しの時間を過ごそう。そんな想いが伝わってきます。

 

「さよなら」は悲しい響きだけど
君とならば愛の言葉

コレです、コレですよ。始めてこのフレーズを聞いたとき、スーパーミントなブラックガムを噛んだときのように目と脳みそが覚醒させられたのを覚えています。

「さよなら」という言葉には確かに悲しい響きがふんだんに含まれています。しかし、交わす相手、そしてシチュエーションによっては、愛の言葉になる。ということをこのフレーズは教えてくれます。

愛しい人と、今日はもう「さよなら」だけど、「また来週に会える」。その約束があることで、「さよなら」は愛と希望の言葉になるんですね。

さらに、2番では「僕が言えば愛の言葉」となっています。これも、「また必ず会える」から、そのために、今日は「さよなら」を言うんだ。という“僕”の心境が読み取れる、素敵な歌詞です。

 

向かい風をうけて
一人でバス停まで
からっ風の帰り道

この曲の締めくくりの歌詞です。

乾燥して冷たい「からっ風」を受けて歩くのは、とても寒い思いでしょう。これはもちろん、愛しい人と「さよなら」をした寂しさを表しています。

でも、これまでの流れがあると、その一人の帰り道を行く一歩一歩は、「また来週に会える」そのときを目指す一歩でもあるということが言えると思います。

つまり、“僕”の体はからっ風に吹かれ冷えてしまっていても、体は愛と希望でぽっかぽかということですね!

寒さと寂しさ、そして温かい愛の言葉「さよなら」。その対比がとてもおしゃれで、同時に“僕”の情景をうまく切り取った珠玉の歌詞です。

 

 

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