Mr.Children「靴ひも」歌詞解釈。“恋が一番楽しい時期”を詰め込んだ一曲

ミスチル「靴ひも」歌詞解釈 歌詞学

歌詞から人生の機微を学ぶ、かずの『歌詞学』へようこそ!
今回の教材はMr.Childrenの「靴ひも」。はやる気持ちと、反面戸惑う気持ち。まさに恋愛をしていて一番楽しい時期に体験する気持ちが詩として一曲の中にギュッと閉じ込められた歌詞ですよね。

 

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞から読み取れる世界観の全体像から書いていきます。
【歌詞全文はコチラ参照】

個人的にこの曲の印象に残るものは?と聞かれたら、「靴ひもを結ぶのもじれったく、一瞬でも早く会いに行きたいという気持ち」と答えます。

しかし、出だしの方では「うだうだしてる」「失いたくない」というフレーズもあり、純粋に好きで好きで会いたいという気持ちだけでなく、その裏にある不安とか躊躇といったところも表現されています。

恋が楽しいのは、すべてがうまく行っているときのような気もしますが、それよりも、少しの不安とか、お互いに相手への気持ちが向かうときのソワソワ落ち着かないあの独特の感じがあってこそだと思います。

そんな複雑で微妙な心境も書かれている歌詞からは、聞く人それぞれの淡い恋の思い出を掘り起こしていること間違いなしでしょう。あんなときにも、戻りたいような、戻りたくないような。

 

歌詞の深読み

では、ここからは、歌詞をポイントでつかみながら、僕のこの歌詞への愛を書いていきたいと思います。

 

いつまでうだうだしてるんだ
どうすべきかは知ってるんだ

出だしの歌詞です。主人公の不安とか迷いがチラリと見えるこのフレーズ。とすると主人公“僕”とお相手の“君”は、まだ付き合ってはいないのかな?と想像できますね。少なくとも付き合って何年も経ちますって感じではない。

どうすべきか知っていても、それを行動に移せる人と移せないままの人の差って、ものすごく大きいですよね。知ってるのは、だいたいみんな知ってるんです。

そこから実際に行動できないと、海外留学も実行できませんし、お笑い芸人になる夢も諦めなくちゃいけない。結婚したいというビジョンさえもただの夢になってしまうかもしれませんもんね。

 

君の絵の具で濁った僕がいい

この表現が大好きなんです。本当に「ああ!これよくわかる!」って思ってしまうんです。

ある程度大人になれば、自分はこんなカラーの人間だよなっていうのがなんとなくわかるものです。そうして自分を保っていたり、反対に縛られていたりして生きているワケです。

しかしそこに、恋をしたことによって相手のカラーがポトンと落ちる。そしてじわじわとそこから自分のカラーに滲んで濁っていく。

一見きれいな色には見えないのですが、それでもその色をくれたのがあの人ならば、そんな僕が最高にイイって思える感覚。なんかすごくわかりません?

そしてこのあとに続く、「こだわってたものみんな誰かに譲ったっていいや」につながるのですね。

 

 

スーパーの前の歩道に
主人を待つ雑種の犬
ガードレールに繋がれている
君に微笑んで欲しくて
吊り革握っている僕とどこか似ている
そわそわして

この部分の歌詞も微笑ましくて最高ですよね。なんとも上手い表現です。

早く主人に会いたいワンコと、早く君に会いたい僕。リードでつながれているワンコと、吊り革を握っている僕。心境面でも構図的にも似てる。

雑種の犬ってところがいいですよね。「血統書つきの立派なヤツでもないけれど」っていう主人公の気持ちが表現されてます。

 

愛しくて苦しくて そして自分を見失って
ウザッたくて終わらして でももっと苦しくて

愛しくて苦しい、これは恋愛に付きものの感情ですよね。どうしたらいいかわからなくて、ときには自分を見失うこともある。

そんなのがウザくて、いっそもう終わりにしてしまおうかとも思うんだけど、そうしてみたところで一層苦しさが増して…というジレンマですよね。

こんな経験あるのは僕だけじゃ絶対ないはず。

 

愛しくて切なくて君の色で濁っている
その部分が今一番好きな色 僕の色

クライマックスの歌詞です。先にも出てきた“君の色で濁っている”というフレーズですが、最後にはそれこそがもう僕の色で、もとの色はもう過去のものだという域に、主人公は達しています。

「相手の色に染まってしまう」というのはまさしくこういうことですよね。言い切る主人公のカッコよさと、微笑ましさの両面をイメージできるフレーズです。

 

あぁ一秒でも早く君の待つ場所へ
あぁ一瞬でも早く君の待つ場所へ

そして締めくくりはコレ。不安や迷いは行動することでしか拭えませんもんね。

とにかく今は悩まず、靴ひもを結ぶなんてのも後回しで、走るしかない。気持ちに従って進むしかない。

そんな決意と爽やかさを感じる歌詞です。

 

最後に

個人的には、やはり“絵具”の表現が好きな一曲ですね。恋だけでなく、生きて行くうちに自分とは違った色を持つ人やもの、出来事に出くわします。

そんなときに、この色がなんとなく好きだ。という気持ち一つで、その都度にその新しい色を自分に取り入れてみるという生き方は、すごくいいと思いますし、そういう生き方をしていきたいと思います。

靴紐を結ぶ間に行動する気持ちが鈍ってしまいそうなら、ちょっとだらしなくても、踏んづけて転ぶリスクがあっても、そのステップは飛ばして走り出してしまう生き方もアリなんだと思います。

 

 

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