星野源「Pop Virus」歌詞解釈。音楽のウイルスは人を口から音が出る病気にする。

星野源「Pop Virus」歌詞解釈。音楽というウイルスは人を口から音がでる病気にする。 歌詞学

歌詞から人生観や言葉の力を学ぶ歌詞学の記事。

今回の題材に選んだのは、星野源の「Pop Virus」です。2018年12月19日に発売されたアルバム『POP VIRUS』の1曲目の曲です。

星野源さんがこれまで音楽を聴いて、作ってきた経験のなかで感じた“音楽に含まれるウイルス”について歌った曲ということで、歌詞がとてもおもしろく感動させられました。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体について。

音の中で 君を探してる
霧の中で 朽ち果てても彷徨う
闇の中で 君を愛してる
刻む 一拍の永遠を
 
歌の中で 君を探してる
波の中で 笑いながら漂う
今の中で 君を愛してる
刻む 一拍の永遠を
刻む 一粒の永遠を
 
ふざけた人間なんだ
偏る生活を歌舞いた
そう君の手の平
美しくクルクル返ったんだ
口から音が出る病気
心臓から花が咲くように
魔法はいつでも
歌う波に乗っていた
 
始まりは 炎や
棒きれではなく 音楽だった
 
音の中で 君を探してる
霧の中で 朽ち果てても彷徨う
闇の中で 君を愛してる
刻む 一拍の永遠を
 
歌の中で 君を探してる
波の中で 笑いながら漂う
今の中で 君を愛してる
刻む 一拍の永遠を
渡す 一粒の永遠を

歌詞を見ていて、僕が気になるのは探している“君”とは何のことなのか、ということ。

僕は、この“君”とは「Pop Virus」のことだと解釈しています。

その根拠は、歌詞カードの末尾についている、アルバム収録曲についての星野源さんのコメントです。この「Pop Virus」という曲についてはこのように書かれています。

これまで音楽を聴いてきた長い時間、そして歌を作るようになってからも、僕はいつでもそれを探しています。音楽は、遠隔で人の心を少しだけ動かすことのできる変な魔法であり、その中に含まれた「それ」は人を媒介して広がっていく楽しいウイルスだと思います。

この文章の「それ」にあたる部分が、歌詞で言う「君」ということでしょう。探しているものということが共通していますからね。

歌詞の独自解釈

さて、以上の僕の独断と偏見の解釈のもと、心に刺さった部分をピックアップして、さらに歌詞を深読みしていきたいと思います。

音の中で 君を探してる
霧の中で 朽ち果てても彷徨う
闇の中で 君を愛してる
刻む 一拍の永遠を

歌の中で 君を探してる
波の中で 笑いながら漂う
今の中で 君を愛してる
刻む 一拍の永遠を
刻む 一粒の永遠を

出だしの歌詞で、音楽を聴いている人物がイメージに浮かんできます。

その人物は、人生を送るうえでいろんな場面を経験します。日常の音の中、迷いの霧の中、絶望の闇の中、楽しい歌の中、美しい波の中、そして今の中。

そんなさまざまな場面で音楽を聴いているなかで、探しているのはたった一拍だけど永遠に心に残る“何か”。たった一粒でも永遠に味わえる“何か”なのです。

 

口から音が出る病気
心臓から花が咲くように
魔法はいつでも
歌う波に乗っていた

その人物は、この“何か”とは、なんだかウイルスに似ていると気づきます。

音楽を媒介にして人から人に感染していく楽しい(ポップな)気持ち。

そんなウイルスに似た“何か”に感染すると、口から音が出る病気になってしまいます。そして心臓には花が咲く・・・。

この部分の歌詞が僕は一番大好きです。

頭のなかで一日中エンドレスにリピートされるほど気に入って聞き込んだ曲って、思わず口ずさんでしまいますよね。そして心臓はウキウキしてまさに花が咲いたように感じます。

まさにアルバム『POP VIRUS』のジャケットです。

ポップウイルス ジャケット

これは魔法にも似ていて、歌の波に乗せられながら日々を送ることができると表現しています。

 

始まりは 炎や
棒きれではなく 音楽だった

ここ、ちょっと謎の歌詞でした。しかし、魔法という言葉に関連しているのではないでしょうか。

マジシャンの使う炎や、魔法使いの使う魔法の杖よりも、よっぽど音楽の方が魔法じゃないか。音楽を聴いているこの人物はそう思っているのです。

 

刻む 一拍の永遠を
渡す 一粒の永遠を

最後の歌詞です。

最後だけ「渡す」という言葉に変わっています。それまでは全部「刻む」なのに。

たった一拍だけど永遠に心に残る“それ”。たった一粒でも永遠に味わえる“それ”を、今度は僕が誰かに渡したい。

そして楽しい(ポップな)ウイルスのように、たくさんの人に蔓延させて、聞いた人を楽しい気持ちにしたい。

そんな想いが表現されていると思います。

つまり、この歌詞の主人公であるある人物は、他でもない星野源さん本人ということなんでしょうね。

 

最後に

ミスチルの曲ばかりを取り上げていたこの「歌詞学」のカテゴリーですが、今回はじめて星野源さんを取り上げさせていただきました。

星野源さん、キャラもいいし才能もマルチだし、僕も大好きです。にわかファンに間違いはないんですけどね。

これをきっかけに星野源さんの曲もこのカテゴリーにどんどん加えていきたいなと思っています。

 

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