「まだ結婚できない男」、ゆるく楽しめる妻と僕の癒しのドラマでした。
今日はついに最終回、桑野、マドカ、ユキエ、それぞれの人物の本心の描き方がとても絶妙で最高でしたね。
本心はわかるんだけど、そこに何枚もフィルターがかけられていてハッキリ相手に伝わらない。
でも、ドリップしたコーヒーのように後味で気づくような伝わり方。
僕が気づいたポイントを振り返って感想を書いていきます。
※僕の解釈と感想なので、間違っているかもしれないことを最初にお断りしておきますね。
身を引く有希江の本心
有希江さんは前回、桑野ともんじゃを食べて、そのことをまどかに「楽しかった」と話しました。
でも、今回の最終回では、「あなた(まどか)を炊きつけるために嘘をついた」と言っていました。
これ、本心ではないですよね。
その証拠に、英治の結婚式の写真で、桑野の写真をじっと見つめているシーンがありました。
でも、大人な有希江さんはまどかの本心に気づいていて、自分は身を引いたのです。
「嘘をついた」というのが“嘘”だったワケですね。
「帰りたくない」まどかの本心
今回の最終回で、まどかは「母親の体の調子がよくなくて長野に帰る」と言い出しましたが、悩んでいましたね。
つまり、100%の本心では全然なかったわけですね。
その理由は、やっぱり東京でできた人間関係。有希江に早紀に、そして桑野。
まどかの本心の核心を突くと、桑野については恋心とは微妙に違った感情なのですが、これからお互いのことを理解していけたらいいな、というところではないでしょうか。
だから、桑野と離れるのはもちろん寂しい。…でもそれが誰にも言えない。
桑野に呼び出されたシーンでは、素直なセリフを伝えた桑野に対して、「そういうこと言われると嬉しいものですね」と、嬉し泣きをしながら本心をつぶやきました。
最後の映画にいっしょに行くシーンも、最後まで桑野の謎のペースに巻き込まれたままでしたが、それが桑野の魅力でもあると、まどかは心のどこかで感じているのではないでしょうか。
桑野の本心はまどかと同じ
謎の感性と、圧倒的に空気が読めない桑野ですが、その本心はまどかとキレイに同じなのではないかと思います。
恋心とは微妙に違った感情。でも離れるのは寂しい。これからもあの喧嘩交じりの絡みがほしい。
これが桑野の本心ではないでしょうか。
「誰かが『行かないでほしい』って言ってくれたら・・・」というまどかの言葉を、桑野はしっかりと受け止めていました。
それでまどかに伝えるべきセリフを書いた。最初はあれは手紙かと思いましたが、脚本だったんですね(笑)
脚本は途中で諦めたようでしたが、きちんとまどかを呼び出すことを実行しました。
そして桑野本人曰く「リハーサル」で本心をまどかに告げました。
言わずもがなですが、この「リハーサル」のセリフこそが、100%純粋な桑野の本心です。
「桑野なのに、なんてスムーズに言葉にするんだ」と思ってしまった僕ですが、「じゃあ次本番」のセリフにがっかりしながらも、ドラマの脚本の素晴らしさに感動してしまいました。
これでこそ「結婚できない男」!そして桑野信介だな!と。
まとめ
13年前に放送された「結婚できない男」から僕は見ていて、なんて面白いドラマだろうと思っていたのですが、その良さが完璧に健在でした。
やっぱり、夜にまどかを桑野が呼び出したあの「リハーサル」のくだりのシーン。あそこにこのドラマの魅力というか、エッセンスが詰まっていた気がします。
年齢のせいか性格のせいか、またはその両方か、本心を素直に言えない登場人物たち。
でもそこにすごくリアルな人間らしさを感じるドラマで、見る人はそこに親近感を持ってしまうんですよね。
各キャラを応援しつつ、笑いつつ、最後はほっこりした後味。終わってしまうが寂しいです。
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