1月8日公開の映画『ブリッジ・オブ・スパイ』を初日に観てきました!
仕事終わりのその足で映画館へ行きました(笑)
時代は米ソの冷静下。新たな戦争勃発に緊張が続く情報戦の世界で、
交渉力に長けた民間人、ジェームズ・ドノヴァンが活躍した実話に基づいた映画です。
難しい世界情勢の中で密かに活躍したドノヴァンの仕事力と生き様に、
同じ男としてとても感銘を受けました。
この記事では、ちょっと複雑なあらすじを整理し、
そこに僕の感想も入れていく形での内容にしていきます。
※これ以下ではネタバレを含みます。ご注意ください。
※僕の見解での整理なので、誤った箇所もあるかもです。
◆あらすじとシーンごとの感想
①ソ連スパイの弁護
トム・ハンクス扮する主人公、ジェームズ・ドノヴァンは、保険業界の男ですが、
過去に弁護士として素晴らしい結果を出したことを買われ、
ソ連のスパイとしてとらえられたアベルという男の弁護を頼まれます。
冷戦の相手であるソ連のスパイを弁護するというのは、
国中から避難を浴びる仕事です。
しかし、「スパイも弁護する寛容な国」と世界に知らしめたいアメリカの思惑により、
その白羽の矢がドノヴァンに立ったのです。
難しい仕事ですが、ドノヴァンはアベルの弁護を引き受けます。
しかし、ドノヴァンは祖国のために一切口を割らず、
獄中でも自分を持って生きるアベルの態度に感銘を受け、
デキレースとも言えるこの裁判で、アベルの死刑を回避するという
誰も予想しない結果を出します。
この二人、ソ連のスパイとアメリカの弁護士という間柄なのに、
その立場を埋めようとするドノヴァンの手腕に感心しました。
あくまで人間的にアベルを捉え、そこにまた人間的な自分も出す。
そうして信頼関係を築いたことが裁判の結果につながっているのです。
信頼関係を築いたアベルから、ドノヴァンは“不屈の男”と称されます。
②スパイ同士の交換交渉
実はアベルの死刑を免れたのは、「逆にアメリカのスパイがソ連に捉えられたとき、
交換するため死刑はナンセンス」とドノヴァンがうそぶいたのが効いていたのです。
そんなとき、ソ連の偵察を行うためのアメリカのU2という偵察機が撃墜されます。
機外に放り出されたパイロットのパワーズは、機の爆破隠滅もできず、
ソ連に捕らえられてしまいます。裁判のための方便が現実となってしまったのです。
スパイ交換のための動きを水面下で行うため、
ここでも民間人のドノヴァンに交渉役が回ってきます。
家族や友人にはもちろん、アメリカ政府でも知る者は限られる極秘任務です。
交渉の場として、ソ連は、アベルの家族が東ドイツのソ連大使館にいるという
設定をでっち上げ、この東ドイツの大使館を指定。
ドノヴァンは、東(ソ連側)と西(アメリカ側)に今まさに分断されるドイツへ向かいます。
③2対1の交換交渉
その道中、東ドイツでスパイ容疑の濡れ衣を着せられた学生のプライアーが
逮捕されて死刑の危機にあることを知ったドノヴァン。
パワーズだけでなく、無実の罪で捕まっているプライアーも救いたいと考えます。
しかし、パワーズはソ連の捕虜。プライアーは東ドイツの罪人(無実ですが)なので、
ドノヴァンは一気に2つの国と、
アベルという1人の捕虜を足掛かりに交渉しなければなりません。
当然、同行のCIAのエージェントからは
「プライアーはほっておけ。パワーズ奪還に集中しろ」と言われます。
しかし、ドノヴァンはプライアーを不憫に思い、
必ず2対1での交渉すると屈しませんでした。
ソ連との、アベル対パワーズの交渉は、ドノヴァンの手腕で早々に固まりました。
しかし、問題はプライアーでした。
プライアーの開放をアベルを差し出す条件で求めるドノヴァンに、
東ドイツは食いつきます。
大国アメリカと対等に交渉をしたとなれば、
独立国家として東ドイツを世界アピールできると考えたのです。
こうして2国とも交渉を取り付けたドノヴァンですが、
2国とも合わせて渡すのがアベル1人という条件が両国に反感を買います。
もう少しでうまくいきそうなところでの大きな難関に手に汗握るシーンでした。
④技ありの交渉術
しかし、窮地に立たされたかのように見えたドノヴァンですが、
その窮地を鮮やかに逆転します。
1対1の交換を迫る東ドイツに、
「それなら交換はナシだ」と強気に出たのです。
そして、「もしアベルがソ連に渡らない場合、
誰が責められるのかな?」と脅迫で畳みかける技あり。
この切り返しには心の奥から驚き、あっけにとられました。
しかし、それと同時に下がる溜飲。
そうして東ドイツに考える時間を与えた末、
2対1の交換に応じるとの返答を勝ち取ったのです。
やったぜ!ドノヴァン!劇場みんなそう思ったはず。
⑤ドノヴァンに守られた世界
交渉内容が固まり、早朝の橋の上でアベルとパワーズの交換です。
無実の学生プライアーは、別の場所で解放される恰好でした。
橋の上で再会したドノヴァンとアベルはしっかりと抱擁し、
アベルは感謝を告げる際、ドノヴァンに再度“不屈の男”と賞賛しました。
プライアーは約束の時間に現れなくてヒヤヒヤしましたが、
無事に解放され、見事、2対1の交換交渉が果たされました。
一触即発の冷戦状態で、3者ウィンウィンで丸く収めたドノヴァンの手腕。
これが一歩間違えていれば戦争の引き金になったでしょう。
圧倒的不利な状況でも、また完全にアウェーな土地でも
自分の信念を曲げないドノヴァンの強さ。
同じ男としてその信念の強さを見習いたいと思いました。
いつでも自信を持ち、慎重に考え、大胆に動く。
これを持ち合わせるのができる男なんだろうな。
生き方の学びと同時に、
冷戦時代という複雑な歴史の部分の知識もつく映画でした。
こういう映画はこれからもどんどん観ていきたいものです。
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