先日公開されたばかりの映画『ダンケルク』観てきました!
まさしく戦場にいる兵士のひとりになったような臨場感。そんな『ダンケルク』の感想を、ものすごく細かい角度で書きたいと思います。
その理由は2つのシーンでした。
◆ジョージを死なせた兵士のことを許した
ダンケルクに残されたイギリス人兵士を救出するため海へ出た民間船「ムーンライト」。その船長ドーソンと、その息子ピーター、そしてピーターの友人のジョージは、航海の途中、破損した船に取り越された一人の兵士を助けました。
この兵士は”砲弾ショック”、つまり、爆撃や銃声の音へのトラウマができてしまっており、助けてもらったこの民間船が再び戦場ダンケルクへ向かっていると知り、船長のドーソンに「行くな」と猛反発しました。
船が戦場に近づく中で、戦闘機や爆撃機の姿を見るようになり、ついには身近に爆撃音も聞こえ始めたとき、この兵士のショックはピークを迎えます。それにより暴れ出した兵士を抑えようと駆け寄ったジョージでしたが、なんとも不運なことに、兵士に突き飛ばされ、階段から落下、頭を打ち重傷を負ってしまいます。
ピーターはすぐさまジョージの手当てをしましたが、最初は「何も見えない」と視力が失われたことを訴え、ついにダンケルクで多くの兵士を救ったときには死んでしまっていたのでした。
それを知ったピーターは衝撃を受けます。
そしてこのタイミングで、ジョージを突き飛ばした兵士は、「あの子は大丈夫か?」とピーターに問いかけます。
ピーターは兵士を見たまま長い沈黙。
僕は、100%ピーターは兵士に殴りかかると思いました。「あんたのせいだ」と。
しかし、そうはしませんでした。「ああ」と一言嘘を伝え、その嘘で兵士を許したのです。
この瞬間、僕は涙がぶわっと溢れてきました。ピーターの優しさと強さに感動してしまったのです。
この兵士は砲弾ショックの影響を受けて暴れてしまっただけ。この兵士も戦争の被害者なんだ。一人でも多くのために小さな船を出した父親と、不幸にも死んでしまったジョージの想いをここで無駄にしないため、ピーターは兵士を許したのです。
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◆ジョージの本懐を遂げさせた
ジョージが階段から落ち、その手当をしていたとき、ジョージは自分の夢と目的をピーターに語りました。
学校にいけば落ちこぼれ扱いを受けていたと語るジョージは、いつか大きなことを成し遂げて、ニュースに載ることが目標なのだとピーターに話します。そのニュースを見た学校の先生を見返してやりたい。その一歩として、ジョージは危険な戦場へ向かう民間船ムーンライトに乗り来んだのです。
しかし、ジョージは不幸な事故で死んでしまいました。
そこでピーターです。ダンケルクの撤退作戦が成功に終わったあと、映像だけの描写ではありましたが、ピーターは新聞社に乗り込み、ジョージの写真を指差して何かを訴えていました。
その後、新聞にはジョージが「ダンケルクの英雄」と書かれた記事が顔写真つきで載っていました。
ジョージがいつかニュースに取り上げられて見返してやりたいと生前に言っていたことを、ピーターが叶えてやったのです。
ジョージは実際のところ、ダンケルクでは何の活躍もしていません。しかし、死んでいなければダンケルクの撤退作戦に協力していたことでしょう。正直、事実無根の新聞記事ではありますが、ピーターの優しさと友人を想う気持ちに心打たれました。
本当に尊い人間というのは、いつでも人の気持ちを想像してやれる、そんな人間だと僕は思うのです。
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