昨日の夜、仕事を終えて帰ると、
高校野球100年を題材にしたテレビ番組をやっていました。
「レジェンドが語る名勝負の秘密」というのが番組名なのかな?
昨日は2夜目とのことでした。
僕の敬愛する選手の一人、桑田真澄さんがゲストだったのですが、
この日のテーマが「敗北こそが我が思い出」。
伊集院光もツッコみますが、桑田に「敗北」のイメージは違和感があります。
けれど、番組を見ていくうちに、甲子園で常勝投手だった桑田だからこその
「敗北感」と、そこから学ぶ部分がとても深かったのです。
敗北、というと当然マイナスのイメージがあります。
しかし、負けた当事者にとって、そこから得るものは本当に大きいのです。
僕も元高校球児で投手をしていましたが、敗北にはちょっとうるさいです。
およそ公式戦で勝った記憶がありません(笑)
思えば、勝者のインタビューはよく耳にしますが、
敗者の声というのはあまり取り上げられません。
インタビューする側も負けた気持ちを掘り下げるのは気を遣うでしょうからね。
この番組では、桑田の思い出の「敗北」が詳しく映像とともに紹介されます。
カーブの投げ過ぎでマメが潰れての投球だったとか。
それでも、甲子園の決勝の相手だった取手二高は、
桑田の目には負けるはずのない相手だったそうです。
番組の最後に、司会の亀梨和也が桑田に問います。
「あの試合、勝っていたかったですか?
それとも、負けた経験があってよかったですか?」
この問いに桑田はこう答えます。
「あの負けがあるから今の自分がある」
あの経験から、いろんな方法があること、いろんな準備が必要なこと、
そして理不尽なこともたくさんあるということを受け入れられるようになった。
よく、スポーツの世界では勝ちより負けの方が学べると言われますが、
それは僕の経験上でも真理です。
桑田のこの言葉にもそれが現れています。
だって、負けるというのは単純にめちゃくちゃ悔しいものです。
その気持ちを味わうだけで、人生で得るものは大きいです。
さらに、そこからまた“次”に向かって立ち上がる経験。
そのときに胸の底から湧き起こってくるの鋼の感情。
これは何よりも強い未来へのモチベーションです。
胸の底から、というのを、単なる慣用句ではなく、体感します。
桑田は、負けた相手の取手二高の野球部を試合後に見学に行ったと言います。
これはすごい行動です。
このとき、桑田の胸の中にも、次への鋼のモチベーションがあったのでしょう。
そして、寡黙な自分とは対照的にのびのびと野球をする
取手二高の選手たちの練習場を案内してもらったと言います。
このすごい行動は、負けたからこその行動です。
そうして自分の野球観を広げ、自分に欠けている部分を見出したのです。
結果、多くの人がよく知るように、プロでも素晴らしい成績を収めています。
負けるというのは悔しくてカッコ悪いものです。
しかし、負けたのをきっかけにきちんと自分の力で立ち上がり、
さらに自分を磨く行動は素敵です。
勝って何も学ばない人より1万倍カッコいいですね。
せっかくカッコ悪い「敗北」を経験したなら、
そこから立ち上がり、より良い自分を作り上げ、カッコよく生きるべき。
これは元弱小高のエースだった僕が得た最上の学びです。
人よりたくさん負けたから、人より多く学ばなくてはならなかったのです。
最後に笑っていれば、それが勝者の証です。
※紹介した番組はここで見れます。ただし、たくさんの広告にご注意を。
http://www.miomio.tv/watch/cc233343/
コメント
確かに勝ちたいけども、負けにも「価値」はありますよね。むしろ、そこから這い上がろうとする原動力は勝者の満足よりもずっと大きいことでしょうね。
自分は水泳でレース競技なので、1位でなければ負けであることはもちろん、ベストタイムで無ければ昨日の自分に負けたことにもなりますし。そこからいかに努力するかですよね。
結局、水泳人生で1位って、体育の授業位ですけど・・・orz
「負けにも価値がある」ですか!なんてステキな言葉!ちょっといただきます。メモメモ(笑)
次への原動力ということでは、立ち上がった敗者の方が強固に育ちそうですよね。
まあ、勝ち進んだ経験がないので、勝者側のことがわからないで言ってしまってますが。。
そうか、水泳は一人を除いてみんな敗者ですか。
そしてベストタイムで過去の自分ともハッキリ勝敗が見えてしまうのですね。
そう考えると厳しい世界なんですね。言われないと気づかないものです。