「麒麟がくる」第8回、今回は恋愛物を見ているかのような回でしたね。
ストーリーが展開されるなかでも、帰蝶、駒ともに十兵衛を思う気持ちが丁寧に描かれていました。
十兵衛への思いを断ち切って信長のもとに嫁入りした帰蝶。しかしいざ信長のいる那古野城に着いてみると、当の信長は行方知れず…。
そこで帰蝶はにやりと微笑みました。完全に何か思惑があっての笑み。第8回のラストを飾ったこのシーン。この笑みの理由は何だったのでしょう?
「信長はなんて面白い男だ」と思った。
「信長様は今日の日をご失念あそばされたか?」
信長のもり役、平手政秀が憔悴し切って信長の行方知れずを報告したとき、帰蝶はこう言いました。
この言葉を聞いたときは、「覚悟を決めてやって来たのに、なんて扱いなの」と落胆したのかと思いました。
しかし、そのあと帰蝶はにやりと微笑みましたよね。
出典:「麒麟がくる」公式HPより
あの笑みの理由として僕が考えたひとつが、「信長とはなんて面白い男なのだろう」と思ったというものです。
お嫁さんをもらうという人生でも一大事の日に、城を留守にするうえに行方知れず。
帰蝶は「ご失念あそばされたか?」と問いましたが、そんなわきゃあないと賢い帰蝶はわかっています。
ということは、嫁入りの日と承知のうえで行方をくらましたということです。そんなことをしでかす奴はそういません。
噂では相当のうつけ者と聞いていたが、ここまでとは…!と普通は不安になると思うのですが、帰蝶はあの斎藤道三の娘です。
この異常な行動を起こした信長のことを「面白い」と思ったのではないでしょうか。同時に、これから自分自身に起こることについても「面白いことになりそう」とワクワクした。
かなりの胆力が必要ではありますが、あの表情には内から湧き出る感情を抑えきれない様子にも見えました。また、斎藤道三のほくそ笑んだ顔とリンクする笑顔にも見えてしまいます。
もしこれが正解ならば、帰蝶の胆力はもとより、演技をしてそれを視聴者に伝える川口春奈さん、そして笑顔のリンク先である本木雅弘さんとも、すごい技術ですよね。
「美濃に帰る理由ができる」と思った。
もうひとつの理由として考えたのは、「こんな扱いを受けるなら、縁談を破棄して美濃に帰ることもできるんじゃない?」と思ったという理由です。
嫁入りの日にぞんざいに扱われた。そんなことをしでかす噂どおりのうつけ者。これを口実に早々に尾張から帰ることもできる。と考えての悪だくみの笑みだったのかもしれません。
帰蝶は「尾張などには行きたくない」と言っていましたし、十兵衛を思う気持ちももちろんあります。
結婚相手の“うつけ”を理由につけて、美濃に帰ってしまおう。この状況で笑った理由を考えると、こう考えるのが普通だと思います。
でも、僕としてはきっと前者の理由だと思うのです。
信長という男のこと、そして自分の今後についても「何か面白いことが起こる」と予感して微笑んだ。
この方が大河ドラマとして面白いし、実際にこれからの信長の人生は波乱万丈この上ないですからね。それを暗示させる演出だったのではないか?というのも僕がこう考えた理由です。
コメント
ぼくが思うのは、三郎信長もこの婚姻はイヤイヤなのじゃな。と思って
自分の気持ちと重ね合わせてついニヤリとしたんだなと思いますね。
匿名さん、コメントありがとうございます。
なるほど!それもかなり考えられますね。
…というか、考えるほどそんな気がして来てしまいました(笑)