「それはできません」という言葉は、なかなか口にできないものです。
特にビジネスの場面では、「できない」というセリフはNGワードの扱いです。
さらに「したくない」という言葉はもっと言いづらいですよね。
でも、最近はこの“No!”という主張ができることって、とても大事だし、
ときにはビジネスシーンでも必要になってくる能力だと思うのです。
いつも「なんとかやってみます」と言ってしまう“イエスマン”では、何とも味気ない。
今日は“No!”の有用性について考えてみたいと思います。
◆“No!”と言うべき場面
上から言われたとおり、お客のおっしゃるとおり。
自分より立場の高い人から頼まれればなんでも引き受ける。
これは立派なようですが、果たして本当にそうでしょうか。
自分では他の人の協力を得ても難しそうだ。
これはかえってやらない方がいいのにな。
コンプライアンス上、お客さんのいう通り進めるのは問題がある。
などと思う場面でなら、“No!”と言うこと大切なときもあります。
それなのに、雰囲気的に「できない」「したくない」というのが気が引ける。
という理由で“No!”が言えないのは、それは単に無責任になってしまうと思うのです。
できる見込みもないのに「わかりました」と引き受けて、
結局満足にできなかったという結果は、
やれると思って努力したけどできなかったという結果と天と地の差があります。
◆「しないこと」を決めておくことは重要なこと
また、自分のスタンスとして、「これはやらない」と
やらないことリストを決めておくことは結構有効です。
ちなみに僕は、
・会議ではペラペラしゃべらない。
・上に言われても参加者に伝わらない細かい資料は作らない。
・明日できる仕事は今日はしない。
などがやらないことリストとして決めています。
やらないことを決めておくことで、
やるべきこと、やりたいことに意識を集中させることができます。
やりたくないことをがんばってやると、
その感じが成果に出てきてしまうものです。
そうなってしまうのは嫌だし、もったいないことだと思うのです。
◆わがままになるのとは真逆
「できない」「したくない」は、使うポイントが大事です。
なりふり構わず連発すれば、ただのわがままなヤツになってしまいます。
だから、“No!”を言ったら、その理由をきちんを示すこと。
さらに代替え案を示し、その方が有効であることを説明できないといけません。
そのためには相手の依頼や希望をきちんと聞き、
その気持ちを共感してあげることです。
このステップを飛ばすと、相手は「わがままを言われている」と感じてしまいます。
共感したうえで、“No!”と言い、その理由を示せれば、納得をしてもらえるはずです。
◆まとめ
“No!”というのは確かに勇気がいりますが、
自分のスタンスが常に決まっていれば、自然にできるようになります。
偉そうに書いてきましたが、これは決して想像で書いているのではなく、
僕個人の経験談と、まわりの社員や一緒に仕事をする方を見ていての僕の確信です。
“No!”と言った方がいいのに、もしくは言わなくては互いにリスクを負うのに、
それが言えないでちぐはぐな結果になる人はたくさんいます。
入社したての僕もそうだったのです。
でも、ある程度の年数で経験を積み、自分の仕事はこうありたい!
というスタンスが固まって来た昨今では、“No!”を上手に使う有用性を感じます。
成果で“Yes!”と言える、また言われる、そんな仕事をしたいものです。
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